マンション売却の税金はいくら?3,000万円控除の計算方法と適用条件【2026年版】
居住用マンション売却なら3,000万円特別控除で多くは税金ゼロ。譲渡所得の計算式、短期(39.63%)・長期(20.315%)の税率、控除が使えないケースと確定申告の手順を具体的な数字で解説。
マンション売却にかかる税金は、売却益(譲渡所得)がある場合のみ発生します。居住用マンションなら「3,000万円特別控除」を使えるため、売却益が3,000万円以下であれば税金はゼロになります。
この記事でわかること:
- 譲渡所得(売却益)の計算方法
- 短期・長期譲渡の税率の違い(39.63% vs 20.315%)
- 3,000万円特別控除の適用条件と注意点
- 税金がゼロにならないケースと対策
- 確定申告の手順
譲渡所得(売却益)の計算方法
税金はまず「いくら儲かったか(譲渡所得)」を計算してから求めます。
譲渡所得 = 売却価格 − 取得費 − 譲渡費用
| 用語 | 内容 | 具体例 |
|---|---|---|
| 売却価格 | 実際に売れた金額 | 5,000万円 |
| 取得費 | 購入価格+購入時諸費用(仲介手数料・印紙税など) | 3,500万円 |
| 譲渡費用 | 売却時の仲介手数料・解体費用・測量費など | 175万円 |
計算例
3,500万円で購入したマンションを5,000万円で売却した場合:
譲渡所得 = 5,000万円 − 3,500万円 − 175万円 = 1,325万円
この1,325万円に対して税金がかかります。
取得費が不明な場合は「5%」を使う
購入時の売買契約書や領収書が見つからない場合、取得費は**売却価格の5%**として計算できます。
取得費(概算) = 売却価格 × 5%
例:5,000万円で売却 → 取得費 = 250万円として計算。実際の購入価格より低くなるため、税負担は大きくなります。書類は必ず保管しておくことが重要です。
税率:所有期間によって大きく変わる
マンションの売却益(譲渡所得)に対する税率は、売却した年の1月1日時点の所有期間で決まります。
| 区分 | 所有期間 | 税率(所得税+住民税) |
|---|---|---|
| 短期譲渡所得 | 5年以下 | 39.63% |
| 長期譲渡所得 | 5年超 | 20.315% |
税率差の影響
譲渡所得が1,000万円の場合:
- 短期(5年以下):1,000万円 × 39.63% ≒ 396万円
- 長期(5年超):1,000万円 × 20.315% ≒ 203万円
約193万円の差になります。購入から5年以内に売却を検討している場合は、税率が倍近く変わる点に注意してください。
10年超所有の場合はさらに優遇
所有期間が10年を超える居住用マンションには、軽減税率の特例があります。
| 譲渡所得の額 | 税率 |
|---|---|
| 6,000万円以下の部分 | 14.21% |
| 6,000万円超の部分 | 20.315% |
長く住んだマンションを売る場合、3,000万円控除と組み合わせることで大幅な節税が可能です。
3,000万円特別控除とは?
居住用マンションを売却する場合、譲渡所得から最大3,000万円を差し引ける特例があります。
課税譲渡所得 = 譲渡所得 − 3,000万円(特別控除)
先ほどの例(譲渡所得1,325万円)では:
課税譲渡所得 = 1,325万円 − 3,000万円 = −1,675万円(=ゼロ)
→ 税金ゼロになります。
売却益が3,000万円を超えるケース(例:2,000万円で買って7,000万円で売った場合)は、超過分に税金がかかります。
3,000万円控除の適用条件
以下の全条件を満たす場合に適用できます。
必須条件
- 売却時点で居住していた(または転居後3年を経過する年末までに売る)
- 売却した年の前年・前々年に同特例を使っていない
- 売り手・買い手が親族でない(配偶者・直系血族・生計一の親族など)
- 住宅ローン控除との併用不可(売却した年は住宅ローン控除の適用を受けられない)
適用できないケースに注意
| 状況 | 適用可否 |
|---|---|
| 転居後3年以内に売却 | ○ 適用可 |
| 転居後3年超(翌年以降)に売却 | ✕ 適用不可 |
| 別荘・投資用マンション | ✕ 適用不可 |
| 3年前に同特例を使用 | ✕ 適用不可 |
| 親族への売却 | ✕ 適用不可 |
| 買換え特例を同年に使用 | ✕ 適用不可 |
賃貸に出してから売る場合は要注意:転居後すぐに賃貸に出した場合でも、転居から3年後の年末を過ぎると特例が使えなくなります。「貸してから売るか、すぐ売るか」はタイミングが重要です。
税金がゼロにならないケース
ケース1:購入より安く売れた(売却損が出た)場合
売却価格が取得費を下回った場合はそもそも税金ゼロです。ただし損失を他の所得と相殺(損益通算)できる特例もあります(ローン残債があり損失が出た場合は損益通算・繰越控除の対象になる場合あり)。
ケース2:売却益が3,000万円超の場合
売却益が3,000万円を超えると、超過分に税金がかかります。
計算例:2,000万円購入 → 6,500万円売却(諸費用200万円)
譲渡所得 = 6,500万円 − 2,000万円 − 200万円 = 4,300万円
課税対象 = 4,300万円 − 3,000万円 = 1,300万円
税額(長期・10年超の場合)= 1,300万円 × 14.21% ≒ 185万円
ケース3:投資用・賃貸中マンションを売却する場合
居住用でない場合は3,000万円控除が使えません。長期所有なら20.315%、短期なら39.63%の税率がそのままかかります。
確定申告の手順
マンションを売却した年の翌年2月16日〜3月15日に確定申告が必要です(控除を使わず税金がゼロの場合も、3,000万円控除を適用するには申告が必要)。
必要書類
| 書類 | 入手先 |
|---|---|
| 売買契約書(売却時) | 取引時に受け取る |
| 売買契約書(購入時) | 自分で保管していたもの |
| 仲介手数料の領収書 | 不動産会社から |
| 登記事項証明書 | 法務局 |
| 住民票の除票(転居済みの場合) | 市区町村 |
申告の流れ
- 国税庁の確定申告書等作成コーナー(e-Tax)にアクセス
- 「分離課税の譲渡所得」を選択
- 売却・購入時の数字を入力
- 3,000万円特別控除の適用チェック
- 申告書を提出(e-Tax または税務署窓口)
計算が複雑と感じる場合は、**税理士への相談(費用:3〜8万円程度)**か、売却を依頼した不動産会社経由で紹介を受けることも選択肢です。
まとめ
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 計算式 | 売却価格 − 取得費 − 譲渡費用 = 譲渡所得 |
| 税率 | 5年以下39.63%、5年超20.315%、10年超14.21% |
| 3,000万円控除 | 居住用マンションで大半は税金ゼロ |
| 注意点 | 転居後3年超・投資用・親族売買は適用不可 |
| 確定申告 | 翌年2〜3月・控除適用でも申告必要 |
税金の有無と金額は、購入時の書類(売買契約書)が残っているかに大きく左右されます。書類がある人は実際の取得費で計算、ない人は5%概算で計算することになります。
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